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  • 夕日好きよね、と言われた。

    homeflow — colors & light

    夫に「夕日好きよね」と言われた。

    自分ではそんなに風景の写真を撮る方だと思っていなかったけれど、写真を見返したら、確かにあった。しかも結構な枚数。

    特に、夕日が海にうつっている写真が多い。

    オレンジともピンクとも言えないあの色が好きで、水面にゆらゆらして、雲にも少しうつっている感じ。やわらかくにじんだ夕日も好きだし、「夕日ですー!!」という赤っぽいオレンジが水面に降りていく感じも好き。

    夕日そのものというより、夕日の色が空だけにいないところが好きなのかもしれない。

    海に落ちて、雲にうつって、景色全体が少し違う色になる時間。

    理由はうまく言えないけど、気づいたら何度も撮っていた。

    たぶん、好きなんだと思う。

    text — homeflow編集部

  • 白い靴下は、可愛いから困る。

    homeflow — colors & things

    白いものは好きだ。

    白いタオルとか、白い布とか、白いシャツとか。白いものが、ちゃんと白いままあると気持ちいい。

    白いものは、白いままでいてほしい。だから私は浸け置き洗い派だ。

    でも、靴下の裏は白でいる気がない。足首のところも、甲のところも、ちゃんと白い。

    問題は、足の裏だ。

    白い靴下の、足の裏は白くなくなる。少しずつ黒ずんでいく。子どもの靴下は、なぜそんなに黒くなるのか分からないくらい黒くなる。

    靴下の足の裏は、浸け置きしても大して白くならない。下洗いしたらいい。こすれば、かなり白くなる。

    それは分かっている。でも、面倒すぎる。やってられん。

    うちでは一人だけで日に4足出ることもある。学校用。遊びに行く普段履き。サッカー用。サッカーからの帰り用。

    何足、下洗いするん。だから、やらない。

    学校用の靴下は、黒か紺でいいと思う。私服の時も、問題ないならなるべく濃い色がいい。あえて白じゃなくてもいい場面は、たくさんある。

    でも、白い靴下は、可愛いから困る。

    夫が白い靴下を買ってくる。なんで、と思う。

    でも、可愛いから困る。

    そして彼にとっては、靴下の足の裏が白くないのは当たり前らしい。

    そうか。

    白いものは、白でいてほしい。でも、白い靴下の足の裏は、そうはいかない。

    下洗いした方がいいのは分かっている。でも、結局できない。

    だから、靴下の足の裏は諦める。

    白い靴下は可愛い。

    可愛いから、困る。

    text — homeflow編集部

  • 雨の日は、世界が少しガラス越しになる。

    homeflow — rain & air

    雨の日は、外に出たくない。

    靴も濡れるし、荷物も増えるし、傘もいる。普通にめんどうだと思っている。

    でも、見るものとしての雨は、少し嫌いじゃない。

    車のフロントガラスに雨粒がついて、景色が少しにじむ。信号の赤や、前の車のライトが、いつもよりぼんやり見える。ワイパーが動くと一瞬だけ景色が戻って、またすぐ雨粒が重なる。

    窓の外も、雨の日は少し遠い。はっきり見えているようで、どこか薄い膜がある感じがする。いつもの道も、いつもの建物も、少しガラス越しになる。

    道路が濡れると、光がにじむ。白線も、車のライトも、店の明かりも、少しだけ下に伸びる。晴れた日より、色が静かに混ざっている。

    本当は、傘をささずに少し歩きたい。雨にそのまま当たるのは、たぶんちょっと気持ちいい。でも、メイクも落ちるし、服も濡れるし、現実にはちゃんと傘をさす。

    水たまりは、今でも少し遊びたい。長ぐつを履いて、子どもと一緒にぐちゃぐちゃしたいとも思う。でも、あとで洗うのが面倒なので、だいたいやめておく。

    雨の日は、めんどうだ。

    でも、景色が少しぼやけて、光がにじんで、世界が一枚うすいガラスの向こう側に行く感じは、悪くない。

    外に出たいわけではないけれど、雨の日の見え方は、少しだけ好きだ。

    text — homeflow編集部

  • ピンクと水色を、隣に置きたかった。

    homeflow — color & memory

    小学校に上がる前、ピンクと水色を隣に置くのが好きだった。

    その二色は、私の中でセットだった。
    隣にあると、しっくりきた。
    隣り合わせで塗るのも好きだった。

    ピンクと水色は結婚する。

    本気でそう思っていた。

    小学校に入ってからは、色鉛筆を蓋に書いてある順番通りに並べていた。
    だからこれは、それより前の記憶だ。

    ピンクも水色も好きだった。
    でも、私は、ピンクと水色の組み合わせが好きだった。

    二つ並ぶと、空気が少し変わる感じがした。
    まだ言葉にはできていなかったけれど、その感じが好きだったんだと思う。

    私の好きな水色は、薄い水色だ。

    春の空みたいな色。
    夏の真っ青ではなくて、もっと軽い。
    でも、白っぽく消えてしまう色ではない。
    グレーにも寄っていない。

    ちゃんと澄んでいる。
    透明感のある水色。

    ガラスを見ている時にも、少しそういう色を感じることがある。

    今、水色はめちゃくちゃ好きな色というより、
    自分の中のベースにある色だと思う。

    抜け感や透明感、空気の軽さを作っている色。
    主役ではないけれど、昔からどこかにある色。

    娘がランドセルを選ぶ時、水色を選んだ。

    私は一切その色に誘導していない。
    むしろ内心、それじゃなくてこっちにしたらいいのに、と思っていたくらいだった。

    でも、あの人は水色を選んだ。

    その時はなんとも思わなかった。
    でも今思うと、また水色が家に来たんだなと思う。

    水色は、昔からそこにあった。

    春の空みたいな、澄んだ水色。
    今もたぶん、私の空気の底にある。

    text — homeflow編集部

  • 瓶の中に、季節の色が入っている。

    homeflow — kitchen & season

    毎年きっちり並ぶわけではない。
    作る年もあるし、気づいたら通り過ぎている年もある。うまくいく時もあれば、かびたり、残ったりすることもある。

    でも、瓶の中に季節の色が入っている景色が好きだ。

    生姜シロップは、新生姜の時期に作ることが多い。炭酸で割ると、ジンジャーエールになる。

    本物っぽいジンジャーエールを飲んだ時の嬉しさが、子どもの頃からある。自分でも作ってみるけれど、子どもには「辛い」と言われる。結局、自分が飲むことが多い。

    甘い中に、生姜のきりっとした辛さが少し残る。
    その感じが好きだ。

    レモンシロップは、地元のレモンをたくさんもらうことがあって作る。

    レモンが瓶の中で黄色く重なっているのを見ると、少しうれしい。子どもたちは、これが一番喜ぶ。

    ただ、全部がちゃんとシロップに浸かっていなかったりする。上の方が少し浮いていて、あ、と思った時にはもう怪しいこともある。

    それでも、たぶん一番作っている。

    赤しそシロップは、砂糖を思いきり減らして自分用に作る。その方がすっきりしておいしい。

    子どもたちはあまり飲まないし、自分も甘い飲み物をそんなに飲まないから、しばらく残っていることもある。でも、少し疲れた時に飲むとおいしい。

    そして何より、色が本当にきれいだ。
    あの赤紫が水の中に広がる感じが好きだ。

    シロップを作ること自体が目的というより、新生姜の琥珀色、レモンの黄色、赤しその赤紫が、瓶の中に入っている景色が好きなのかもしれない。

    ちゃんと続く手仕事というより、その時期に少しだけ色を閉じ込めておく感じ。

    うまくいく時もある。
    かびる時もある。
    残る時もある。

    でも、瓶の中に色があると、なんかうれしい。

    text — homeflow編集部

  • ニワトリのスカートと、水色の余白。

    homeflow — wear & air

    ニワトリのスカートを持っている。

    大きなニワトリが、ぐるりと一周いる。
    スカートの半分以上を占めるくらい、かなり大きい。
    赤やピンクや黄色っぽい色も入っていて、静かな柄ではない。

    でも、そのスカートの地色は水色だった。
    そこがよかった。

    水色寄りの古着のダンガリーシャツを合わせると、
    ニワトリはかなりいるのに、全体は少し涼しくなる。
    柄は強いのに、空気が重くならない。

    膝丈だから、足が出る。
    そこにも少し抜けがある。
    布の面積いっぱいに柄があるのに、どこかに余白が残っている。

    たぶん、そういう服が好きなんだと思う。

    きれいにまとまりすぎていない。
    でも、全部がうるさいわけでもない。
    少し変なのに、ちゃんと空気が通っている。

    友人には、「そのスカートどこに売ってる?」と言われた。
    普通のスカートではないのかもしれない。

    でも、自分の中ではそんなに変な感じはしていない。
    ニワトリがいる。
    でも水色がある。
    柄が強い。
    でも抜けもある。

    そのバランスが、なんか好きだった。

    ズレを狙っているわけではない。
    ただ、好きなものを選んでいくと、
    少しだけ整いきらないものが残る。

    その少しのズレと、余白のある感じに、いつも戻ってくる。

    text — homeflow編集部

  • 光が好き。

    光が好き。


    昔から、光が好きだ。

    でも、ただ明るい光が好きなわけではない。 たぶん私は、”空気が見える光”に惹かれている。


    何かを通った光が好き

    自然光が好きだ。 特に、何かを通った光が好きだ。

    昔のゆらゆらしたガラスを通る、少し柔らかい光。 障子を通った、白くぼやける光。 ガラス越しに差し込む、少し屈折した光。

    空気ごと光っている感じ、とでも言えばいいのか。 そういう光に、ずっと惹かれてきた。


    反射する光

    海に反射して、キラキラ揺れる光。 雨上がりの森で、雫に反射する光。 ガラスとガラスが並んでいるだけで、光が綺麗に見える時もある。

    おじいちゃんは百姓だった。 日焼けした肌に、光がツヤっと反射していた。 そういう光も、好きだった。


    旅先の朝の光

    お休みの日や、旅行先の朝の光も好きだ。

    ホテルの白いシーツに落ちる朝日。 少し静かな街。 まだ人が少ない空気。

    その時間だけ、世界が少し透明になる感じがする。


    揺らぎのある光

    真っ暗な夜に、 昔ながらのオレンジ色っぽい灯りが、 一箇所をぽつんと照らしている感じも好きだ。

    昔見たガス灯の光も綺麗だった。 ろうそくの、少し揺れる光も好き。 キャンプの焚き火も、ずっと見ていられる。

    たぶん私は、均一で強い光より、 揺らぎのある光が好きなんだと思う。


    夕方の空

    夕方の空も好きだ。

    オレンジ。 ピンク。 少し紫がかった色。

    全部が混ざり合って、なんとも言えない光になる。 雨上がりの澄んだ空気の中で見る夕空は、特に好きだ。


    光で変わる空気

    今思うと、 私はずっと、”光そのもの”というより、 光で変わる空気に、惹かれてきたのかもしれない。

    均一じゃない光。 揺らぐ光。 何かを通った光。 反射した光。

    そういう光の中にいると、 空気ごと、少し変わる感じがする。

    その感じが、好きなんだと思う。