雨の日は、世界が少しガラス越しになる。

homeflow — rain & air

雨の日は、外に出たくない。

靴も濡れるし、荷物も増えるし、傘もいる。普通にめんどうだと思っている。

でも、見るものとしての雨は、少し嫌いじゃない。

車のフロントガラスに雨粒がついて、景色が少しにじむ。信号の赤や、前の車のライトが、いつもよりぼんやり見える。ワイパーが動くと一瞬だけ景色が戻って、またすぐ雨粒が重なる。

窓の外も、雨の日は少し遠い。はっきり見えているようで、どこか薄い膜がある感じがする。いつもの道も、いつもの建物も、少しガラス越しになる。

道路が濡れると、光がにじむ。白線も、車のライトも、店の明かりも、少しだけ下に伸びる。晴れた日より、色が静かに混ざっている。

本当は、傘をささずに少し歩きたい。雨にそのまま当たるのは、たぶんちょっと気持ちいい。でも、メイクも落ちるし、服も濡れるし、現実にはちゃんと傘をさす。

水たまりは、今でも少し遊びたい。長ぐつを履いて、子どもと一緒にぐちゃぐちゃしたいとも思う。でも、あとで洗うのが面倒なので、だいたいやめておく。

雨の日は、めんどうだ。

でも、景色が少しぼやけて、光がにじんで、世界が一枚うすいガラスの向こう側に行く感じは、悪くない。

外に出たいわけではないけれど、雨の日の見え方は、少しだけ好きだ。

text — homeflow編集部