うちの母は、「いいもの」が好きな人だ。
高いものじゃない。 いいものを見抜く目がある、ということだ。
素材を見る目。 味を見る目。 手間を見抜く感覚。
外食で簡単には「美味しい」と言わない
母は、料理が上手だ。 何を作っても、美味しい。
でも、外食で簡単には「美味しい」と言わない(笑)
本当に美味しいものに出会った時だけ、 「あ、美味しいね」と言う。
それって、 家で食べているものの基準が高いからなんだと思う。
新鮮な野菜を見抜く目。 活きのいい魚を見抜く目。 美味しい肉を手に入れる方法。 少し鮮度が落ちたものでも、ちゃんと美味しく料理する感覚。
魚をおろすのも上手で、刺身もきれい。 握り寿司まで、普通に作ってしまう。
「美味しそう」を、自分で作ってみる人
母は、「美味しそう」と思ったものを、自分で作ってみる人だ。
パエリアも、フォーも作る。 パスタも上手。 クリスマスには、鶏の丸焼きをオーブンで焼いていた。 ピザも、かなり早い頃から家で手作りしていた。
誕生日ケーキも、手作りだった。 蝶々の形のケーキを作ってくれたことを覚えている。
今みたいに、簡単に情報が手に入る時代じゃなかった。 でも母は、自分で考えて、工夫して、作っていた。 それが、すごく嬉しかった。
ハンバーガーもよく家で作ってくれた。 ちゃんと紙で包んで、ポテトも紙の入れ物に入っていた。
ただご飯を作るだけじゃなく、 “楽しい空気”まで作ってくれていたんだと思う。
なんでも、手作りにしてしまう
味噌。出汁醤油。ドレッシング。ポン酢。キムチ。麹。 なんでも作ってしまう。
庭もすごい。
狭い庭なのに、 トマト、ナス、キュウリ、ゴーヤ、大葉、ネギ、白菜、ブロッコリー、 アスパラ、ミカン、柿、フェンネル、ディル、パクチーまで育てている。 ケールも、フリルのものと普通のもの、両方。 ビーツまである(笑)
だから、おしゃれなジューススタンドで健康そうなジュースを見ると、 「家で飲めるな」と思ってしまう。
梅をもらえば、毎年梅仕事。 たけのこを大量にもらえば、大鍋で湯がく。 それが本当に美味しい。
そのお礼に、母は手作りのパンやカステラを渡す。 しかも、お店みたいな完成度。
裁縫も、DIYも
裁縫もすごい。 服も作るし、お直しも上手。 靴下まで、可愛く繕ってしまう。 お店に出すより上手なんじゃないかと思うくらい。
DIYも得意で、家のものも色々作ってしまう。 昔は今みたいに厳しくなかったから、 電気配線まで自分でやっていたこともある(笑)
なんでも、「自分でやった方が早い」人なのだ。
「手間はお金。」
母のおばあちゃんが、昔こう言ったらしい。
「手間はお金。」
自分でやれば、意外と簡単で、しかも美味しい。 でも、それをお店で買うと高い。 その”手間”に、価値がある。
母は、それをずっと実直に体現している。
そういうのが、私のルーツ
今思うと、 私が古いものや、手仕事や、素材感や、 市場や、暮らしの空気に惹かれるのも、
そういう家で育ったからなのかもしれない。
本物を見抜く感覚。 手間を惜しまない姿勢。 暮らしを自分の手で作っていく感覚。
全部、あの家から来ている気がする。
そういうのが、私のルーツ。
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