不可よりの可で、置いている。

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プラスチックが好きではない。

できれば、見えるところにはあまり置きたくない。軽くて、つるっとしていて、置く場所によっては、少し安っぽく見えることがある。便利なのはわかる。でも、空気としては、あまり好きではない。

それでも、置いているものがある。

白いプラスチックの小さい引き出しを、子どもたちにそれぞれ持たせている。リビングの本棚に置いて、ひとりずつ小さな場所を作った。ペンを入れたり、お気に入りの宝物を入れたりする場所。ここはあなたの場所だから、勝手に触らないよ、と言える場所。

それが、ほしかった。

子ども部屋ではなく、リビングの中にある小さな自分の場所。大きな収納ではなくて、ちょっとした引き出し。紙切れやシールや、拾ってきた石みたいなものや、よくわからないけれど本人には大事そうなものが入る場所。

そのためには、ちょうどよかった。

値段も、サイズも、使い勝手も、ちょうどよかった。子どもが使うものだから、軽くて、扱いやすくて、壊れてもあまり気負わないものがいい。引き出しも開けやすい。中に何が入っているかも、なんとなくわかる。

見た目は、まあ、及第点。

すごく好きではない。置いた瞬間に空気がよくなるものでもない。木の小さな引き出しで、サイズがぴったりで、値段もちょうどよかったら、たぶんそちらを選んだと思う。

でも、そんなに都合のいいものは、なかなかない。

だから、不可よりの可。

不可ではない。ちゃんと可ではある。好きではないけれど、まあ、ありなんよ、という感じでそこにいる。

白いファイルボックスもそうだ。冷蔵庫とシンクの隙間に、ちょうど入る。軽いから、磁石で浮かせることもできる。そこにあると便利で、邪魔にならない。冷蔵庫横だから、まあギリギリセーフ、と思っている。

見える場所の真ん中に置きたいわけではない。
でも、そこになら置ける。

家の中には、好きだから置いているものと、必要だから置いているものがある。

本当は、全部が好きな素材でできていたらいい。木や布やガラスや、手に触れた時に少し気持ちが落ち着くものだけで暮らせたら、それは気持ちがいいと思う。でも、実際の生活は、そんなにきれいには揃わない。

値段もある。サイズもある。軽さもある。子どもが使いやすいかどうかもある。濡れる場所なのか、汚れやすい場所なのか、毎日開け閉めするのかもある。

好きだけでは、選べない時がある。

それでも、好きではないものを、ただ我慢して置いているわけでもない。そこに入れるものがあって、そこを使う人がいて、その形だとちょうど回る場所がある。

子どもたちの小さな宝物が入る。冷蔵庫横の隙間が、ちゃんと使える場所になる。なくても暮らせるかもしれないけれど、あると少し楽になる。

そういうものを、全部なかったことにはできない。

好きなものだけで家を作りたい気持ちはある。でも、家は、好きなものだけでは回らない。見た目がぎりぎりで、素材もそこまで好きではなくて、それでもちょうど働いているものがある。

好きじゃないけど、まあ、ありなのだ。

今日もそこにある。
不可よりの可の顔をして、ちゃんと働いている。

text — homeflow編集部