大学の後半になった頃、部屋が変わった。
研究室で過ごす時間が増えて、 レポートも、友達の家や図書館でやるようになって、 だんだん自分の机を使わなくなっていった。
そんな頃、おばあちゃんの家から、古いドレッサーを持って帰った。
ドレッサーが来た日
おばあちゃんは、私が小学三年生の頃に亡くなった。 そのドレッサーは、長いこと暗い奥の部屋に置かれていて、 使われていなかった。
でも、優しい白と、少しヨーロッパ家具っぽい脚が、とても可愛かった。 猫足ではないけど、そういう雰囲気。
「持って帰ってもいい?」と聞いて、自分の部屋に置いた時、 すごく嬉しかった。
その瞬間、部屋の空気が変わった気がした。
勉強机を、撤去した
思い切って、勉強机をなくした。
ベッドとドレッサーを中心に、 自分の部屋を作り始めた。
ベッドは、二段ベッドを崩した木枠のベッド。 そこから、少しずつ、好きなものを置いていった。
帯と、白い布と、木枠のベッド
その頃、着物が好きだった。 古着の着物市で、重たい帯を買った。 たぶん、結婚式で使うような、刺繍のきれいな帯。 ピンク系の刺繍が、本当に素敵だった。
普通は、ベッドの足元に横向きに置くのかもしれない。 でも私は、帯をちゃんと見せたかった。 だから、ベッドに縦長に置いた。
そうすると、白い布のベッドカバーが合う気がした。 カバータイプじゃなく、布をふわっとかける感じ。 木枠とのバランスも、その方がきれいだった。
それだけだと少し寂しいから、 昔から好きだった、ハートの手がついたクッションも置いた。 フランフランで見つけた、黄色とピンクのシマシマに 透明のスパンコールが素敵な小さめのクッションも、アクセントに。
代官山で見つけた、アンティークの椅子
代官山で見つけたアンティークの椅子も、大好きだった。 白っぽいフレームに、朱色の座面。 少し低めで、本当はくつろぐための椅子だったと思う。
その古さと、少し色褪せた感じが、またよかった。
でも、ドレッサーの椅子にした。 しかも、部屋に入った時に椅子が見えるように、横向きに置いていた。 使う時だけ、ドレッサーの方へ向ける。
そういうことを考えるのも、楽しかった。
好きなものを、自由に飾っていた
壁には、インド土産の操り人形。 沖縄のアダン葉の草履。 鳥の置物。 ふざけたお面。
好きなものを、自由に飾っていた。
整いすぎてないけど、自分の好きな空気だった。 大好きな部屋だった。
今思うと、あの部屋から始まった気がする。 好きなものを選んで、空間を作っていく感覚。
それが、今の自分の暮らしにも、 どこかつながっている気がしてる。
コメントを残す