実家の和室は、風が通る。

homeflow — summer & air

最近の真夏は、さすがに少ししんどい。
昔みたいに、夏は全部気持ちいい、という感じでもない。

でも、それでも実家の和室は、ふとした時にすごく気持ちいい風が抜ける。

和室と裏口を開けると、家の中を風がすーっと通る。
クーラーの涼しさとは少し違う。
空気そのものが動いて、家の中の熱が少し抜けていく感じ。

畳の上に寝転ぶと、窓の外に山の緑が見える。
それがまた、すごく気持ちいい。

特に好きなのは、夏休みの昼下りだ。

子どもたちと庭のプールで遊んで、
そのあとシャワーを浴びて、
冷たい麦茶を飲んで、
和室にごろんと寝転ぶ。

あの時間、本当に至福だなと思う。

何か特別なことがあるわけじゃない。
ただ、風が通って、体の熱が少し引いて、
お風呂上がりの肌に畳の空気が触れて、
冷たい麦茶がおいしくて、
目に入るのは山の緑。

それだけなんだけど、
夏っていいな、と思える瞬間がちゃんとある。

今の家は街の真ん中で、
窓の外に山の緑が見えるわけではない。

だからこそ、実家の和室のあの景色と風は、
今思うとかなり贅沢だったんだなと思う。

静かすぎるわけでもなく、
自然だけの場所でもない。

でも、家の中を風が抜けて、
畳の上で少し呼吸が深くなる感じがある。

あの和室が好きなのは、
風なのか、景色なのか、
夏休みの夕方の記憶なのか、
まだ少し分からない。

でも、あそこにごろんと寝転ぶと、
なんか全部ちょうどよかった気がする。

text — homeflow編集部