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小さいスプーンは、つい見てしまう。
デザートスプーンとか、ティースプーンとか、大きいスプーンより少し小さいもの。何に使うのかは一応あるけれど、なくても困らないようなもの。でも、かわいいものがちょいちょい現れる。
小さいものは、なんであんなにかわいいんだろう。
食器屋さんでも、雑貨屋さんでも、旅先でも、小さいスプーンがあると見てしまう。形が少し変わっていたり、持ち手がかわいかったり、金属の色がよかったりすると、つい気になる。
スペインでも買った。かわいいと思って。
でも、帰ってきて使ってみたら、軸とさじの部分が一体ではなかった。たぶん、何かでとめてあったのだと思う。蜜蝋みたいなものなのか、接着剤なのか、よくわからない。
それを、普通に食洗機に入れた。
そしたら、何かがゆるんだのか、溶けたのか、さじの部分が回るようになった。正面を向いてくれない。持ち手はまっすぐなのに、さじだけ少し横を向く。
かわいいと思って買ったのに、実用としては少し頼りない。
なんとものを見る目のないことよ、と思う。
でも、そういう失敗をしても、小さいスプーンはまた見てしまう。なくても困らないのに、あると少し嬉しい。デザートを食べる時でも、ヨーグルトを食べる時でも、ちょっとしたものをすくう時でも、大きいスプーンより小さい方がいい時がある。
小さいスプーンには、少しだけ余分なかわいさがある。
ちゃんと役に立つものとして買っているつもりなのに、たぶん半分くらいは、かわいいから買っている。そこが危ない。でも、そこが好きなのだと思う。
またどこかで、ちょっとかわいい小さいスプーンを見つけたら、たぶん手に取ってしまう。
今度は、さじが回らないかだけは、ちゃんと見ようと思う。
text — homeflow編集部