椅子は、一脚ずつ違うのがいい。

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椅子が好きだ。

きれいに揃った椅子より、一脚ずつ違う椅子がある方が好きなのかもしれない。背もたれの線が違う。座面の色が違う。木の色も、少しずつ違う。

そういうのを見ると、なんかいいなと思う。

うちのダイニングの椅子も、きれいには揃っていない。

アーコールの椅子は、大好きで買った。全部を同じ形で揃えたわけではなくて、二種類を一脚ずつ。計二脚だけ。

おじいちゃんちから持って帰った椅子もある。母の世代の、勉強机に合わせて使っていたような古い椅子。座面は、自分で張り替えた。トルコで買ったクッションを張った。

古い椅子に、遠い国の布がのっている。そのちぐはぐさが、すごく好きだった。

でも今は、脚がぐらぐらしている。直さないと座れない。お気に入りなのに、お直し待ちのまま、使えていない。

子ども用に買ったバランスイージーもある。ダイニングに、少しリズムが出る。IKEAの丸椅子は、脚の色がかわいくて、軽くて、ちょっと座れる。立派すぎないところもいい。

そうやって見ると、うちの椅子は、最初からきれいに揃えるつもりがあまりなかったのかもしれない。

選んで買った椅子。持って帰ってきた椅子。張り替えた椅子。子どものために買った椅子。軽くて便利で、でも色がかわいい椅子。

どれも、少しずつ違う。

リビング側にも、好きな椅子がある。

もらいものの、カリモクの一人掛けソファ。今は、二階に避難している。

学生の頃、代官山で見つけた椅子もある。白い椅子で、座面が朱色だった。あの椅子が本当に好きだった。それも今は、倉庫に眠っている。

好きで手元にあるのに、今の家の表には出ていない椅子がある。二階にある椅子。倉庫にある椅子。直さないと座れない椅子。

少し悲しいけれど、好きじゃなくなったわけではない。

今のリビングには、長いソファがある。みんなが座れて、寝転べて、子どもがくっついてきても大丈夫で、今の家にはちゃんと合っている。

長いソファも好きだ。

でも、その奥に、いろんな椅子を置きたい気持ちがある。

一脚ずつ違う椅子が、部屋のあちこちにある。そこに誰かが座ったり、座らなかったりする。座れる椅子も、まだ座れない椅子も、今は出せていない椅子もある。

きれいに揃っていないけれど、なんとなく一緒にいる。

私はたぶん、そういう椅子のある部屋が好きなのだと思う。

text — homeflow編集部