homeflow — fire & waiting
アラジンのストーブが好きだ。
冬の朝、部屋はまだ冷えている。
小さくなって震えながら、夫がストーブに火をつける。その姿が、ちょっとかわいかった。
火がつくと、青い炎がゆらゆらする。
部屋が一気に暖かくなるわけではない。最初はまだ寒い。毛布にくるまって、ストーブの前でコーヒーを飲む。ぼーっと炎を見る。
青い火は、静かに揺れている。
気づいたら、家の空気が少しやわらかくなっている。ほんわか、ゆらゆら、ゆっくり温まっていく。
アラジンは、そこがいい。
ストーブの上で料理ができるような道具もあるらしい。そういうことを考えるだけで、少し楽しい。冬の朝に、ストーブの上で何かが温まっているなんて、夢みたいだと思う。
でも、たぶん、そういうのが一番危ない。
火がある。熱がある。そこが好きなのに、そこが今は少しこわい。
だから今は、出していない。
子どもたちは走るし、近づくし、何をするかわからない。青い火をゆっくり眺めるには、まだ少し早い。
アラジンのストーブは、しまってある。
嫌いになったわけではない。いらなくなったわけでもない。好きなまま、今の暮らしの表には出ていない。
いつかまた、子どもたちと一緒にその時間を楽しめるようになったら、出してみたい。
青い火を見ながら、毛布にくるまって、何か温かいものを飲む。そんな冬の朝が来たらいいなと思う。
でも、その頃にはきっと、今のガチャガチャした楽しさは少し落ち着いている。
そうじゃないと困るけれど、そうなっていたら、それはそれで少しさみしい。
今はまだ、アラジンのストーブはしまってある。
青い火も、その前でぼーっとする時間も、少し先の冬に置いてある。
text — homeflow編集部