昔住んでた社宅が、今でも好きだったと思う。


団地っぽい古い社宅だった。

木の建具とか、ふすまとか、押し入れとか、 そういうものが普通に残ってた。

周りの人は「古くて嫌」って言ってた。 私は、整えたらめちゃ整うのに、と思ってた。


キッチンダイニングと和室のふすまを外して、 広く使ってた。

和室にソファとちゃぶ台を置いて、 そこで暮らしてた。

押し入れには、 生活用品も、子どもの服も、掃除機も入って、 ちゃんと生活が収まってた。

あの収まり方、なんか好きだったんよね。


別の古いアパートも好きだった。

床がちゃんと木だったり、 和室を繋げて広く使えたり。

オープンラックでアイランドキッチンっぽくしてたりもした。

今思うと、 あの空間、結構自由だったと思う。


ただ古いものが好き、というのとは 少し違う気もしてる。

たぶん私は、 空間の骨格とか、 素材感とか、 暮らしとの噛み合い方みたいなものに、 惹かれてたんだと思う。

押し入れとか、 木の建具とか、 本物の床材とか。

そういうものを見ると、 今でもなんかほっとする。

なんでだろう、とはまだうまく言えない。


今の家は、校区と立地優先で買った中古住宅だ。

売る前提のリフォーム感が、かなり苦しかった。

木目プリントの巾木とか建具とか、 量産的な感じがどうしても好きになれなくて、 臨月でDIYしてた。

巾木を塗って、 建具を塗って、 母と一緒に収納を作ったりしてた。

臨月で(笑)


「今の家が嫌」という話じゃない。

あの社宅に戻りたいわけでも、たぶんない。 子どもが小さい頃はあの広さで成立してたけど、 今は物が増えすぎて、また別の構造が必要だと思う。

ただ、 押し入れに生活が収まってた感じとか、 ふすまを外したら広くなった感じとか、 木の床を歩く感じとか、

そういうものを、 今の家の中でも、 なんとか探してる気がする。