実家の畑

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そんなに広くない。 家と駐車場でほとんど使っていて、 残った土地にぎゅうぎゅうに植わっている。 母は昔、「草抜きが嫌だから」あまり土を増やさなかったと言っていた。 本格的にやるつもりは、たぶんなかったと思う。

でも夏になると、 きゅうり、トマト、ナス、ピーマン、ゴーヤ、オクラ、 スイカ、かぼちゃ、冬瓜、バジル、大葉、パクチー、 ケール、フェンネル、ディル、アスパラ、ネギ、山椒、むかご。 どこにそんなスペースがあるのか、 全部育っている。

石畳にビニールプールを出して、 子どもたちが泳いでいる横で、 ミニトマトをとって食べる。 採りたてのきゅうりは表面がチクチクして、 塩でこすってそのままかじる。 蚊はいるし、暑いし、 どこからともなく毛虫も出てくるけれど、 それはそれで夏だ。

父は夕方、水やりをする。 母に「少ない!」と怒られながら、 ブツブツ言いながらホースを持っている。 雨の日は「水やらんでええわ!」と、 本人だけが少し嬉しそうだ。 収穫だけは大好きで、 勝手に採って、また怒られている。

真っ赤になる直前のトマトを、
鳥に食べられる。
毎年。

ネットを張って、板を置いて、 ハクビシンとも毎年やりあっている。 それでも何かしら食べられる。 懲りずに来年も植える。

秋になると大根と白菜とかぶが入ってくる。 庭の柿とみかんがなる。 冬までピーマンが残っていることがある。 紫蘇の実は天ぷらにする。 余った野菜はご近所と交換する。

春には菜の花がたくさんでる。お浸しにして食べると、めちゃくちゃ美味しい。野菜によって味が違う。

理想の畑、という感じではない。 ごちゃごちゃしていて、蚊が多くて、草抜きも大変で。 でも、なんか上手に暮らしてるなあ、と思う。 うまく言えないけれど、そういう庭だ。

text — homeflow編集部