コップは、透明な方が好きだけど。

homeflow — thing & time

ガラスのコップは、透明な方が好きだ。綺麗に光を通してくれる方がいい。使っていると傷がついて、だんだん曇ってくる。洗っても綺麗にならなくなる。それを単純に「綺麗」と思うわけではない。だいたいはそこまで曇る前に割れてしまう。だから、白く曇ったコップを見ることはあまりない。

でも、実家でそれを見た時に、少し愛着が湧いた。

実家では、同じ種類のコップを何代も買い足して使っている。だから、そのコップがいつからいたものなのか、もうよく分からない。ほとんどはまだ透明だったり、少し傷があるくらい。でも、2〜3個だけ、真っ白に曇っているものがあった。

それを見て、「そうか。頑張ってくれたんだね」と思った。きっと、私たちが子どもの頃から、何万回も飲み物を入れられて、洗われて、また使われてきたのかもしれない。本当のところは分からない。でも、いつからいたか分からないからこそ、そうやって少し思いを馳せる感じがいい。

透明なガラスが好きだ。綺麗に光が通る方がいい、というのは今も変わらない。でも、使われて白く曇ったコップには、綺麗さとは別の何かが残っている気がする。劣化ではなく、時間、みたいな感じ。

text — homeflow編集部