homeflow — frame & space
トイレに、古い木の額がある。
きちんと壁に掛けているわけではなくて、窓のところに少し斜めに立てかけている。木の縁に厚みがあって、平たい枠とは違う影ができる。
その斜めの隙間が、ちょうどいい。
額と窓のあいだに、少しだけ場所ができる。そこにカレンダーを貼って、小さな花瓶を置いて、顔の置物も置いている。
カレンダーは、今年のものではない。たぶん三年くらい前のもの。日付を見るためではなくて、絵が気に入っていて、そのまま貼っている。
そういうところが、うちっぽいなと思う。
顔の置物は、中におみくじが入っているタイプのもの。少し変で、茶目っ気がある。古い木の額の奥に、三年前くらいのカレンダーと、小さな花瓶と、顔がいる。
ちゃんと飾っているというより、なんかそこに集まってしまった感じに近い。
でも、窓に立てかけているから、光が入る。
木の厚みのところに影ができて、カレンダーの絵が少し明るくなって、置物の顔も、なんとなくそこにいていい感じになる。
額は、絵を入れるためのものだと思っていたけれど、うちのトイレでは少し違う。
中に何かを入れて完成するというより、窓とのあいだに小さな場所をつくっている。奥行きができて、光が入って、ものが少しだけ居場所をもらう。
ただの窓辺だったところに、小さな場所ができる。
それが好きなのかもしれない。
トイレだし、カレンダーは何年も前のものだし、顔の置物もいる。きれいに飾っています、という感じでは全然ない。
でも、古い木の厚みと、窓から入る光と、少し変なものが混ざっていると、空気がすっと抜ける。
額は、何かを囲うものでもあるけれど、窓とのあいだに小さな場所をつくるものでもある。
うちではたぶん、そのくらいの役割がちょうどいい。
text — homeflow編集部