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  • ホームセンターは、なんでもできそうな気がする。

    homeflow — place & tools

    ホームセンターが好き。

    DIYが好きというのもあるけれど、行くとなんでもできそうな気がしてくる。木材があって、カットもできて、金具があって、ペンキがあって、電動ドリルもあって、気づいたらマキタの掃除機まで見ている。

    テレビ台兼子どもの学用品収納を作った時、扉が斜めにならないように下にコロをかませたくて、そういう部品をかなり探した。

    あるかなあと思いながら棚を見ていたら、ちゃんとあった。

    「これ、いけるんやない?」

    となった時が、すごく楽しかった。

    実際、数年たっても扉は斜めになっていない。

    ホームセンターには、何が作れそうかな、と思わせる空気がある。

    木材も、金具も、ペンキも、工具も、まだ何にもなっていないのに、そこにあるだけで少しワクワクする。

    この空間にいると、本当に、なんでもできそうな気がしてくる。

    text — homeflow編集部

  • 本屋には、予定外がある。

    homeflow — place & books

    子どもが生まれる前は、時間ができるとよく本屋に行っていた。読みたい本を探しに行くのだけど、探していた本だけで終わらない。隣の棚、平積みの本、今まで興味のなかったジャンルが目に入って、気づくとずいぶん長くいる。

    図書館も好きだけど、本屋はもっと広くて、新しいものに出会える感じがある。スタバと併設されている大きい本屋なら、コーヒー一杯で一日いられる気がする。ケチでごめん、でも好き。

    本屋は、本を買う場所というより、予定外に出会える場所なのかもしれない。

    そう思うと、また少し行きたくなる。

    text — homeflow編集部

  • 夕日好きよね、と言われた。

    homeflow — colors & light

    夫に「夕日好きよね」と言われた。

    自分ではそんなに風景の写真を撮る方だと思っていなかったけれど、写真を見返したら、確かにあった。しかも結構な枚数。

    特に、夕日が海にうつっている写真が多い。

    オレンジともピンクとも言えないあの色が好きで、水面にゆらゆらして、雲にも少しうつっている感じ。やわらかくにじんだ夕日も好きだし、「夕日ですー!!」という赤っぽいオレンジが水面に降りていく感じも好き。

    夕日そのものというより、夕日の色が空だけにいないところが好きなのかもしれない。

    海に落ちて、雲にうつって、景色全体が少し違う色になる時間。

    理由はうまく言えないけど、気づいたら何度も撮っていた。

    たぶん、好きなんだと思う。

    text — homeflow編集部

  • 冷蔵庫は、少し避難所になっている。

    homeflow — kitchen & things

    納豆を入れようとしたら、納豆入れに納豆が入らないことがある。
    見ると、他のものが入っている。
    ちゃんとトレーに収まっている。しまわれてはいる。
    でも、納豆じゃない。

    うちの冷蔵庫には、すぐに食べるものだけが入っているわけではない。
    開封した粉もの、海苔、バターの買い置き、ゼリー飲料、もらった缶の野菜ジュース、ご飯のお供セット。
    湿気らせたくないもの、悪くしたくないもの、いつか使うかもしれないもの。
    そういうものが少しずつ入って、気づくと結構場所を取る。

    食べものを冷やしているつもりで、いろんなものを避難させているのかもしれない。
    今使うものと、いつか使うかもしれないものが、同じ冷たい場所にいる。

    全部がいらないものでもない。だからややこしい。

    でも、納豆が納豆入れに入らないのは、やっぱり困る。

    そろそろ見直さなきゃな、と思いながら、今日も納豆を別の場所に入れた。

    text — homeflow編集部

  • 雨の日、靴を守ったら足が濡れた。

    homeflow — air & place

    雨の日は靴を濡らしたくなくて、ちょっとそこまでならサンダルで出ることがある。濡れてもいいし、すぐ乾くし、靴は守れる。そう思って出る。

    でも、気づくと足が濡れる。お迎えで園庭を歩くと、砂も足に貼りつく。
    びしょ濡れで砂もついて、帰る。
    裸足で玄関を上がったら、床が濡れた。
    雑巾で足を拭いて、床も拭いた。

    足を洗った。
    サンダルも洗った。

    靴を守ったのに、足を洗って、床を拭いて、サンダルも洗っている。やっぱり靴が良かったなぁ、と思う。でも次の雨の日も、また迷う気がする。

    text — homeflow編集部

  • 白い靴下は、可愛いから困る。

    homeflow — colors & things

    白いものは好きだ。

    白いタオルとか、白い布とか、白いシャツとか。白いものが、ちゃんと白いままあると気持ちいい。

    白いものは、白いままでいてほしい。だから私は浸け置き洗い派だ。

    でも、靴下の裏は白でいる気がない。足首のところも、甲のところも、ちゃんと白い。

    問題は、足の裏だ。

    白い靴下の、足の裏は白くなくなる。少しずつ黒ずんでいく。子どもの靴下は、なぜそんなに黒くなるのか分からないくらい黒くなる。

    靴下の足の裏は、浸け置きしても大して白くならない。下洗いしたらいい。こすれば、かなり白くなる。

    それは分かっている。でも、面倒すぎる。やってられん。

    うちでは一人だけで日に4足出ることもある。学校用。遊びに行く普段履き。サッカー用。サッカーからの帰り用。

    何足、下洗いするん。だから、やらない。

    学校用の靴下は、黒か紺でいいと思う。私服の時も、問題ないならなるべく濃い色がいい。あえて白じゃなくてもいい場面は、たくさんある。

    でも、白い靴下は、可愛いから困る。

    夫が白い靴下を買ってくる。なんで、と思う。

    でも、可愛いから困る。

    そして彼にとっては、靴下の足の裏が白くないのは当たり前らしい。

    そうか。

    白いものは、白でいてほしい。でも、白い靴下の足の裏は、そうはいかない。

    下洗いした方がいいのは分かっている。でも、結局できない。

    だから、靴下の足の裏は諦める。

    白い靴下は可愛い。

    可愛いから、困る。

    text — homeflow編集部

  • 美術館では、椅子を見てしまう。

    homeflow — place & things

    美術館に行くと、椅子を見てしまう。

    展示室の端に置いてある椅子。壁の近くに置かれている椅子。絵をまっすぐ見られる場所に、ちゃんと置いてある椅子。

    あ、ここに座りたい、と思う。

    もちろん作品を見に来ている。でも、椅子がいい場所にあると、その空間が好きになることもある。座ると絵が違って見える。絵を見ているというより、絵と同じ部屋にいる感じ。

    美術館の椅子は、たまにすごく素敵だ。

    これ、座っていいんですか、と思うような椅子が、普通に置いてあることがある。少し緊張するような椅子にも、美術館では座れる。

    有名な椅子に出会うこともある。

    ウェグナーのThe Chairみたいな静かな椅子も好きだし、天童木工の椅子を見かけることもある。イームズやヤコブセンの椅子も、わりとよく見る。

    ここにこの椅子ね、と思うのは楽しい。

    前に、どこかの美術館でガウディの椅子が置いてあった。

    バルセロナで座ったことのある椅子だった。初めてではないのに、見つけた時はやっぱり嬉しかった。

    あ、これ、また座れる、と思った。

    好きな椅子は、何回座っても嬉しい。

    椅子に座ると、自分も、その場所の一部になったように感じることがある。歩いている時は、作品の前を通り過ぎている人だったのに、座ると、床や壁や光や絵と一緒に、そこに置かれた感じがする。

    たぶん、椅子があるから。

    ただ、そんなことを思いながら座る時もあれば、単純に疲れている時もある。

    美術館は、思ったより歩く。階段もあるし、部屋もいくつもあるし、戻ったりもする。途中から足が重くなってくる。

    そんな時に椅子があると、もう動きたくない。

    ありがとう。

    座った場所から絵がきれいに見えたりすると、なおさら動けない。もうここでいい、と思う。ここから見えるものだけ見ていたい。

    美術館の椅子は、休んでも、休まなくてもいい気がする。

    きれいなものを見に行って、たくさん歩いて、少し疲れて、いい椅子に座る。そこで、さっきまで見ていたものや、まだ見ていない部屋のこともぼんやり思う。

    何かをちゃんと見ているようで、もうあまり見ていない時もある。

    それでも、その時間が好きだ。

    美術館に行っているのに、椅子も見る。そこに座ると、その場所の記憶が変わることも、きっとある。

    たくさん歩いたあとに、いい場所に椅子がある。

    それだけで、もうだいぶうれしい。

    text — homeflow編集部

  • 好きなものは、少しずつ混ざっている。

    homeflow — sense & home

    好きなものは、ひとつの言葉ではあまり言えない。

    古いもの、というより、物語があるもの。誰かが使っていた感じとか、どこかから来た感じとか、時間が少し染みている感じ。そういうものに、どうも目がいく。

    少しズレているものも。どこかに茶目っ気があったり、少しだけ外れていたりするもの。

    空気がきれいなものも好き。白いもの、ガラス、薄い水色、光が通るもの。置いたら、少しすっとするようなもの。

    天然素材のもの。布、木、土、石、紙、ガラス。触った時に、あたたかい感じがするもの。

    手の跡が残っているものも好きだ。刺繍、織り、編み目、少し歪んだ器。完璧すぎないところに、なんか安心する。

    色の名前が少しむずかしいものもある。白だけど真っ白ではない白。水色だけど、少し空みたいな水色。ピンクなのか、ベージュなのか、うまく言えない色。

    そういうものが、少しずつ家の中に混ざっている。

    全部が主役ではないし、全部に理由があるわけでもない。何に使うのかよくわからないものもあるし、ただ置いてあるだけのものもある。

    でも、目に入るとうれしい。

    少しずつ集まって、少しずつ混ざって、いつの間にかうちの空気になっている。

    text — homeflow編集部

  • いつか何かに使うかも。

    homeflow — fabric & someday

    いつか何かに使うかも、と思うものがある。

    着物の端切れや、絣の小さい布が売っていると、つい見てしまう。何に使うかは、まだない。

    でも、やっぱりいいものはいい。

    小さいアンティークボタンや、タッセルみたいなものも、たまに欲しくなる。いつも何かを作っているわけではない。でも、なんとなく、これは何かになりそうだなと思ってしまう。

    実家に、模様の入ったリボンテープがあった。たぶん、おばから母のところに来たものだったと思う。

    母がつかっていいよと言ったから。

    めちゃくちゃ可愛くて、いつか何かに使いたいなぁと思いながら、しばらくしまっていた。

    だいたい、出番はない。「いつか」は、なかなか来ない。

    でも、たまに来る。

    友達の結婚式で、リングレストを作ってほしいと言われたことがあった。その時に、そのリボンテープと、沖縄で拾ったサンゴの欠片を使った。

    それが、すごく可愛くできた。

    あ、これは可愛い、と思った。友達も喜んでくれて、それがすごくうれしかった。

    こういう時、置いてあってよかったなと思う。

    だいたいすぐに出番は来ない。いつか何かに使うかも、と思ったまま、ずっとそこにあるものも多い。

    でも、たまに何かになる。

    そういう時は、すごくうれしい。

    text — homeflow編集部

  • あ、これ好きだった。

    homeflow — closet & memory

    衣替えをすると、忘れていた服や小物が出てくる。前のシーズンには普通に使っていたはずなのに、しまっている間に少し忘れている。
    あ、これもあったね、となる。

    すごく好きなヘアバンド。色と柄がめちゃくちゃかわいくて、つけた時の感じもよくて、ほんとにめっちゃ使った。
    それを見て、夫は、私はヘアバンドが合うと思ったのかもしれない。何個かプレゼントしてくれたことがある。でも、どれも少し違った。

    ヘアバンドなら何でもよかったわけではなくて、あれがよかったみたいだ。

    そのヘアバンドは、ゴムが伸びてしまった。直せるかなと思ってしまっていたけれど、すっかり忘れていた。

    衣替えの時に出てきて、あ、これ使いたい、と思った。
    でも、やっぱりゴムは伸びている。直すのも大変そうで、結局捨てた。可愛かったけどねー。

    スウェットにも、そういうものがあった。丈が少しだけ短くて、身頃は幅広で、ドルマンスリーブだった。丸い模様がたくさんついていて、そこにビーズが刺繍がされていた。袖も裾も襟ぐりも切りっぱなしで、すごくかわいかった。

    もう一個同じのが欲しいと思ったほど。

    それも伸びてしまって、結局捨てた。
    捨てたくなかったんだけどな。

    似たようなものを見つけても、少し違う。新しい方がきれいでも、便利でも、やっぱり前のあれがよかったな、と思うことがある。

    そういうものが、たぶんいくつかある。

    text — homeflow編集部