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大人になったら、駅やスーパーで花を一輪だけ買って、家に飾るような暮らしをなんとなく想像していた。一輪だけなら買えるし、生活の中に少し花がある感じが、なんかよさそうだと思っていた。
でも実際には、あまり買えない。理由はわかっている。何度も花を枯らしてきたから。水替えを忘れる。気づいたら干からびている。植木鉢も何度もだめにしてきた。小学校のプランターも、人より育つのが遅かったり、実ができなかったりした。水をやっているつもりなのに、なぜかうまくいかない。
実家の母は、花を自然に飾れる人だ。庭でも花を育てているし、その辺の瓶をすぐ一輪挿しにする。義母もそういう人で、妹の家にも、ちゃんと花が飾ってある。そういう家を見ると、「なぜ私にはできないのだ」と思う。
花が嫌いなわけではない。むしろ好きだ。でも、花を生活に自然に入れることが、自分には少し遠い。生活圏に花屋がないことも、けっこう大きい。
だから、たまに飾るなら、花より枝物へ行きがちだ。枝物は少し持つし、華やかすぎず、空気がある。その辺の瓶に一本だけ挿しておくだけで、なんとなく成立する。花を飾れる人への憧れは今もあるけれど、自分にはこのくらいの距離感が、たぶんちょうどいい。
いつか花を自然に買える人になるかもしれないし、ならないかもしれない。でもたまに枝物があると、少し空気が変わる。今は、そのくらいで十分な気がしている。
text — homeflow編集部