投稿者: homeflow_admin

  • ピンクと水色を、隣に置きたかった。

    homeflow — color & memory

    小学校に上がる前、ピンクと水色を隣に置くのが好きだった。

    その二色は、私の中でセットだった。
    隣にあると、しっくりきた。
    隣り合わせで塗るのも好きだった。

    ピンクと水色は結婚する。

    本気でそう思っていた。

    小学校に入ってからは、色鉛筆を蓋に書いてある順番通りに並べていた。
    だからこれは、それより前の記憶だ。

    ピンクも水色も好きだった。
    でも、私は、ピンクと水色の組み合わせが好きだった。

    二つ並ぶと、空気が少し変わる感じがした。
    まだ言葉にはできていなかったけれど、その感じが好きだったんだと思う。

    私の好きな水色は、薄い水色だ。

    春の空みたいな色。
    夏の真っ青ではなくて、もっと軽い。
    でも、白っぽく消えてしまう色ではない。
    グレーにも寄っていない。

    ちゃんと澄んでいる。
    透明感のある水色。

    ガラスを見ている時にも、少しそういう色を感じることがある。

    今、水色はめちゃくちゃ好きな色というより、
    自分の中のベースにある色だと思う。

    抜け感や透明感、空気の軽さを作っている色。
    主役ではないけれど、昔からどこかにある色。

    娘がランドセルを選ぶ時、水色を選んだ。

    私は一切その色に誘導していない。
    むしろ内心、それじゃなくてこっちにしたらいいのに、と思っていたくらいだった。

    でも、あの人は水色を選んだ。

    その時はなんとも思わなかった。
    でも今思うと、また水色が家に来たんだなと思う。

    水色は、昔からそこにあった。

    春の空みたいな、澄んだ水色。
    今もたぶん、私の空気の底にある。

    text — homeflow編集部

  • 夕方の台所は、少しだけ戦場。

    homeflow — kitchen & evening

    うちは毎日、誰かの習い事がある。
    だから、なかなか早くご飯にならない。

    曜日によっては、送迎とご飯作りとお風呂が同時に来る。
    なかなかのハードモードだ。

    そういう日は、迎えに行く前に、焼魚以外の副菜を全部作っておく。

    スープを仕込んで、野菜の副菜も済ませておく。
    帰った瞬間に魚を焼けばご飯になる状態にしてから、家を出る。

    それが一番安定する。

    でも、それをいつ準備しておくか問題が毎回ある。

    最近はグリル野菜に頼りすぎて、「これいっつも出る」と言われた。

    なんだよこいつらー、と思いながら、炒めたり、湯がいたり、蒸したり、レンジでチンしたりする。

    こっちだって、ちゃんと少しずつ変えている。

    帰った瞬間に「お腹すいた」「ご飯食べる」と言ってくる。

    その一方で、「お菓子いる」も来る。
    「一緒に遊んで」「トイレついてきて」「牛乳ついで」も来る。

    用事ができん、と思う。

    だから最近は、具だくさんおにぎりを作り置くことがある。

    帰ってすぐそれを食べてくれると、夜ご飯を少し食べなくても、まぁしょうがないかと思える。

    その間に夜ご飯を仕上げたり、翌日の下ごしらえをしたりできる。
    ちょっとだけ余裕が生まれる。こともある。

    うまく回る日もある。
    回らない日もある。

    それでも、少しだけ空気が荒れないように、なんとかしている。

    たぶん、夕方の台所は毎日少しだけ戦場だ。

    text — homeflow編集部

  • ガーゼが、昔から好き。

    homeflow — fabric & memory

    3〜4歳くらいの頃、ガーゼの布団がないと寝られなかった。

    母が隣で寝てくれることもあったけれど、そういう夜も、そのガーゼの布団の端を握りしめていた。ふわふわした感じを口のあたりに当てながら、気持ちいいなと思って寝ていた。

    子どもがぬいぐるみや毛布を安心の代わりにするように、自分にとってはそのガーゼの布団がそういうものだったんだと思う。

    その後、しばらくガーゼのことを意識することはなかったかもしれない。

    でも、ガーゼ生地の服は好きだった。
    ガーゼのブラウスを持っていて、大好きだった。自分でも作って、しばらく着ていた。

    その後、ガーゼのワンピースを作りかけた。

    作りかけたまま、今に至る。
    もう10年以上を投げているかもしれない。

    妹に赤ちゃんが生まれる時、6重ガーゼのガーゼケットをプレゼントしようとしたら、妹が自分で作りたいと言った。

    だから、生地をプレゼントした。

    今は家族分のガーゼケットを作ろうと思って、生地を買って休ませている、ということにして、まだ手をつけていない。

    今年、使えるかな。

    ガーゼは、白くて、やわらかくて、空気を含んでいる感じがする。
    洗うほど少しくたっとして、肌に近づく感じ。

    きちんと完成させる手仕事というより、昔からずっと体が覚えている好きだと思う。

    まだ作れていないけれど、生地があるだけで少しうれしい。
    ガーゼは、昔から肌の近くにあると落ち着く布だった。

    text — homeflow編集部

  • 保冷剤は、夏になると出番が来る。

    homeflow — family & season

    小さい保冷剤は、気づくと増える。

    ケーキを買った時。
    デパートの地下で何かを買った時。気づくと、冷凍庫の隅に溜まっている。

    でも、増えすぎたらもう諦めて捨てる。
    意外と、そこはちゃんと管理していると思う。

    ちゃんと買った大きい保冷剤もある。

    ただ、それは一年中冷凍庫に入っているわけではない。冬のあいだは使わないので、常温で置いてある。

    でも夏になると、急に冷凍庫に現れる。

    昔は、大きい保冷剤を旦那が五、六個冷凍庫に入れていた。
    普通に文句を言われるやつだ。

    ただでさえ夏の冷凍庫はいっぱいなのに、そこへ大きい保冷剤がどんと入ってくる。

    本気で邪魔だ。

    いろいろあって、今は二つくらいでなんとか落ち着いた。
    それでも急に現れると、今でも少しイラッとする。

    でも、使う。

    子どもが試合の日は、クーラーバッグに保冷剤を入れる。
    水筒、タオル、軽食。暑い日の試合の準備物は多い。

    そういう日に、冷凍庫にいた大きい保冷剤が急に頼もしくなる。

    普段は邪魔なのに。
    急に頼もしい。

    なんなん。

    綺麗な夏ではない。
    準備物が多くて、少し大変な夏だ。

    でも、保冷剤はいる。

    好きとか、安心するとかではない。
    いるからね。
    いるよね、夏は。

    イラッとするけど、使う。

    夏の家族を、裏側で支えている感じがする。

    邪魔者だと思っていたのに、結構頑張ってるかも、と毎年思う。

    text — homeflow編集部

  • 小玉スイカが、ちょうどいい。

    homeflow — kitchen & season

    子どもたちはスイカが大好きだ。

    赤いところを夢中で食べる。小さい手で持って、種を気にしたり、気にしなかったり。
    どんどん食べる。

    それを見ていると、夏だなと思う。

    私は食べられそうな時に、子どもたちと一緒に少し食べるくらい。

    旦那は、スイカがあまり好きじゃない。

    だから、子どもたちがほとんど食べている。

    食べ切れなかった分は容器に入れて冷蔵庫へ。
    皮も出る。

    まぁ、いっか、と思いながらやっている。

    大きいスイカは冷蔵庫に入らない。だって入らんもん。
    だから、自然と小玉スイカになる。

    でも、小玉スイカって、なんか可愛い。

    ころんとしていて、切ると中がぱっと赤い。
    大きすぎないのに、ちゃんと夏が入っている。

    出始めのおいしい時期の小玉スイカが、特に好きだ。

    子どもたちが赤いところを夢中で食べている。
    ころんとした小玉スイカが、少しずつなくなっていく。

    それだけで、少しうれしい。

    大きな夏じゃなくていい。
    うちに入るくらいの、赤くて可愛い夏。

    これくらいが、うちにはちょうどいい。

    text — homeflow編集部

  • 夏の冷蔵庫は、すぐいっぱいになる。

    homeflow — kitchen & season

    夏は、冷やしたいものが多すぎる。

    牛乳もいる。
    麦茶も冷やしたい。
    炭酸水用の水も冷やしたい。
    スイカも入れたい。
    シロップの瓶が入ることもある。

    スイカが入ると、一気に場所が取られる。

    冷凍庫も同じだ。
    氷はすぐなくなる。保冷剤はいる。チューチューも入る。ソーダアイスも入る。冷凍フルーツもある。

    何か特別なものを入れているわけではないのに、気づくとぎゅうぎゅうだ。

    さらに、夏は残り物も冷蔵庫に入れないと不安になる。

    冬なら少し出ていても大丈夫そうなものが、夏はすぐ心配になる。鍋、作り置き、下処理したもの、食べかけ。

    傷ませたくないものが全部、冷蔵庫へ避難してくる。

    冷蔵庫は、冷たいものだけでなく、傷ませたくないものの避難場所でもある。

    本気で困る。

    シロップの瓶が冷蔵庫にある感じも、ガラスのカラフェの麦茶も好きだ。

    でも現実には、冷やしたいものと傷ませたくないものが多すぎて、冷蔵庫の余白はすぐ消える。

    夏の熱を、冷蔵庫が全部引き受けている感じがする。

    そりゃいっぱいになるよね、と思う。

    料理をするようになってから、冬が少し好きになった。

    台所に、少し余白がある。
    少し置いておける安心感がある。

    夏は、なんでも冷蔵庫に集まってくる。

    でも本当に、もう少し余白がほしい。

    text — homeflow編集部

  • 甘くないシュワシュワが好き。

    homeflow — kitchen & drink

    うちにはソーダストリームがある。
    炭酸水をたまに買うというより、家で作る。かなりよく使っている。

    ジュースみたいに甘くない。
    水より少し楽しい。
    お茶とも違う。

    甘くないのに、シュワシュワしている。
    それが最高だ。

    自分が炭酸水を好きだからか、子どもたちもかなり小さい頃から飲んでいた。

    一人は1歳前後から欲しがって、「おいしい」と言って飲んでいた。本当に?と思いながらも、まあ水だしな、と思ってあげていた。

    別の子は5歳くらいの頃に、もらったカボスを炭酸水に絞って飲んで、「ジュースみたいでおいしい」と何杯もおかわりしていた。

    知り合いにその話をしたら、その家の大きい子でも、それは飲めなかったらしい。たぶん、そちらの方が普通の感覚なのかもしれない。

    最近は、ビールの代わりに炭酸水を飲むことが増えた。
    ビールは好きではあるけれど、最近は、なくてもまあいいかと思う日が増えた。

    その代わりに炭酸水。
    でも、これがちゃんとおいしい。

    生姜シロップやレモンシロップを割る時にも使うけれど、シロップがなくても普通に飲む。

    むしろ、ただの炭酸水が好きだ。

    甘いものはいらない。
    でも、水だけだと少し物足りない。
    お酒じゃなくてもいい。

    そういう時に、甘くないシュワシュワがある。

    ただの炭酸水なのに、ちゃんとおいしい。
    水より少し楽しくて、ジュースほど甘くない。

    たぶん、そこがいい。

    text — homeflow編集部

  • 梅仕事は、母の担当。

    homeflow — living & memory

    母の梅仕事は、梅を買うところからではなく、知り合いの梅の木へ採りに行くところから始まる。

    「採っていいよ」と言ってもらって、母が焼いたカステラをお礼に持っていく。そこからもう、梅仕事が始まっている感じがする。

    梅を持ち帰ったら、ヘタを取る。
    つまようじで一つずつ取る作業は地味だけど、タイミングが合えば自分も手伝う。みんなでやると、少し楽しい。

    そのあと、洗ったり、漬けたり、干したり。
    気づくと、瓶やざるや、いろんな道具が出ている。

    母は毎年、それを自然にやっている。

    和室の縁側に、ざるに並んだ梅が干してあることがある。夏の光を浴びていて、そこから甘酸っぱいような梅の匂いがする。

    その匂いが和室の空気に少し混ざっていると、今年もそういう季節なんだなと思う。

    母は梅干しだけでなく、梅ジュースも作ってくれる。
    子どもたちはそれが大好きで、梅ジュースがあると、しばらく市販のジュースのことを忘れるくらい喜ぶ。

    自分も生姜シロップやレモンシロップを作ることはある。でも梅仕事は、今のところ母の担当という感じがある。

    受け継がなきゃ、というより、季節になると母が動き出して、家の中に梅の時間が入ってくる。

    それを見ている感じだ。

    自分が全部できるようになるかは、まだ分からない。
    でも、梅を採りに行って、ヘタを取って、瓶やざるが出て、縁側に梅が干されて、家にいい匂いがする。

    そういう季節の流れが家にあるのは、なんかいいなと思う。

    text — homeflow編集部

  • 瓶の中に、季節の色が入っている。

    homeflow — kitchen & season

    毎年きっちり並ぶわけではない。
    作る年もあるし、気づいたら通り過ぎている年もある。うまくいく時もあれば、かびたり、残ったりすることもある。

    でも、瓶の中に季節の色が入っている景色が好きだ。

    生姜シロップは、新生姜の時期に作ることが多い。炭酸で割ると、ジンジャーエールになる。

    本物っぽいジンジャーエールを飲んだ時の嬉しさが、子どもの頃からある。自分でも作ってみるけれど、子どもには「辛い」と言われる。結局、自分が飲むことが多い。

    甘い中に、生姜のきりっとした辛さが少し残る。
    その感じが好きだ。

    レモンシロップは、地元のレモンをたくさんもらうことがあって作る。

    レモンが瓶の中で黄色く重なっているのを見ると、少しうれしい。子どもたちは、これが一番喜ぶ。

    ただ、全部がちゃんとシロップに浸かっていなかったりする。上の方が少し浮いていて、あ、と思った時にはもう怪しいこともある。

    それでも、たぶん一番作っている。

    赤しそシロップは、砂糖を思いきり減らして自分用に作る。その方がすっきりしておいしい。

    子どもたちはあまり飲まないし、自分も甘い飲み物をそんなに飲まないから、しばらく残っていることもある。でも、少し疲れた時に飲むとおいしい。

    そして何より、色が本当にきれいだ。
    あの赤紫が水の中に広がる感じが好きだ。

    シロップを作ること自体が目的というより、新生姜の琥珀色、レモンの黄色、赤しその赤紫が、瓶の中に入っている景色が好きなのかもしれない。

    ちゃんと続く手仕事というより、その時期に少しだけ色を閉じ込めておく感じ。

    うまくいく時もある。
    かびる時もある。
    残る時もある。

    でも、瓶の中に色があると、なんかうれしい。

    text — homeflow編集部

  • チューブじゃなくて、生姜を刻みたい。

    homeflow — kitchen & scent

    チューブは早い。
    冷蔵庫から出して少し絞ればすぐ使える。
    忙しい時には本当に助かる。

    でも、生の生姜を刻むと、香りが違う。
    包丁を入れた瞬間に、少し辛くて、青くて、きりっとした匂いが立つ。
    それだけで、料理の空気が少し変わる。

    常備しておきたいけれど、生姜はよくだめにしてしまう。

    最近は水につけて保存している。
    そうすると前よりずっと持ちがいい。
    でも、料理はしているのに生姜を刻む気力がない日がある。
    そういう日が続くと、水につけていても、結局だめにしてしまうことがある。

    だから半分諦めて、生姜パウダーも常備している。

    チューブにした方が楽なのは分かっている。
    生姜パウダーがあると安心するのも分かっている。
    でも、できる時はやっぱり生姜を刻みたい。

    毎回ちゃんとやりたいわけではない。
    ただ、あの香りが立つ瞬間を、少し生活に残しておきたい。

    生姜シロップやジンジャーエールを作る時も、たぶん同じだ。
    甘くしても、炭酸で割っても、生姜のきりっとした香りがちゃんと残る。

    でも、まずは生姜をだめにしないところからかもしれない。

    text — homeflow編集部